優しくて厳しい恩師、原田治先生の事/17.2.15

優しくて厳しい恩師、原田治先生の事/17.2.15

(この日記は先日クローズドの私のFBで公開させて頂いた文章に加筆修正したものです。)

先週の火曜日にパレットクラブスクールの恩師、原田治先生が昨年末にお亡くなりになった、と娘さんからお手紙と最後のご著書を頂きました。先生ご本人のご遺志でご家族のみでのご葬儀を終えられ、偲ぶ会などの開催も遠慮してください、との事。

お手紙を受け取った時はかなり動揺し、パレットクラブで一緒に授業をしている河村ふうこさんと電話で一緒に大泣きしました。『でも今頃きっとペーター佐 藤さんと安西先生とで仲良くお話してるんだろかな..』と2人でなんとなく想像したらなんだかフフフ..となってしまいました。何故かというといつも原田先生からペーター佐 藤さんがいかに素晴らしいかを伺っていたので..
私はパレットクラブの第1期から3期までの生徒であり、先生からは3年間『イラストレーターは何をすべきか』『イラストレーションは基本的に商業的である べきである』『美意識とは』といった事をみっちりと叩き込まれました。授業中のお顔は優しいのに目が非常に鋭くいつもギラギラしていて自分の信念を冷静に時に情熱的に生徒一人一人に語りかけるようにお話してくださっていたのを今でも覚えています。

そして私がイラストレーターとして何とか生活出来つつあった頃に突然『講師としてお願いしたい』とメールを頂きました。その時の事はあまりにも驚き、あまりにも身に余る事に手が震え記憶が定かではないほどです。しかしあまり真面目な生徒でなかった私にお声をかけてくださった事、本当に嬉しかったのです。『ああ..認めてくださってくれたんだ』と。

それからというもの度々授業で学校に伺った時に1階のバーカウンターで先生自らこだわりのお煎茶を入れてくださって.その美味しさはさすがお茶が大好きな先生ならで は、と感動したものです。その際にも仕事の悩みなどを相談させて頂くと的確な助言を下さったり、厳しくも優しい先生でした。最近はあまりスクールでお会いする事もありませんでしたが、昨年の『FASHION ILLUSTRATION EXHIBITION』の初日にお会いさせて頂いたのが最後となってしまいました。

先生からは沢山の大切なものを頂きました。70歳という若さではありますが、日本中の沢山の人々をそのイラストレーションで幸せな気持ちにさせた先生に最大の尊敬の念とともにお悔やみ申し上げ、感謝の気持ちを捧げたいと思います。

原田治、という太くて大きな大黒柱を失ったパレットクラブですが、娘さん始め関係者の方々、スタッフの皆さまが一丸となって続けていくそうです。私も微力ではありますが、頑張って務めさせて頂こうと思っています。20期に生徒になる予定の皆さん、どうぞ宜しくお願いします。

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写真は21年前のパレットクラブスクール第1期、第1回目の授業の後の懇親会での一コマです。『わぁぁ..あの、あのオサムグッズの人だ』と興奮しっぱなしでした。
(真ん中は原田先生。お二人を間にはさんで背の高いのが私です。他の皆さんのお顔はプライベートを考慮してぼかさせていただきました)
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そして最後のご著書『ぼくの美術ノート』。今月の17日あたりに亜紀書房さんから出版されるそうです。美術に造詣の深い(特に小村雪岱に関する記述は必読です)先生の想いがつまった素晴らしい本です。

(誤字脱字があったらごめんなさい)

イラストレーター 吉岡ゆうこ

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